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脳卒中23

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名古屋城のお堀のの周りを散歩しました。この場所には50年前には、戦争で焼け出された人たちがバラックを建て、お堀の水を使って生活していました。
そう思って、お堀の水を覗き込んでみると、今はその頃のように透明ではなく、口にできそうにはありませんでした。

緑風荘
ここが僕の期待外れの場所だったことは確かでしたが、荘側にもそれなりの理由がもあったということと、その期待はずれの場だったことが、結局僕には幸いだったと今は思っています。
もし期待通りの所だったら今頃どこかでお金儲けのために働き、色々がっかりしながら又脳梗塞を悪化させて入院していたことでしょう。

期待しなければ不満もそれだけ小さなものになりました。与えられなければこちらから何かを捜し求めるもののようでしたし、そうして取り組むことは自分で意義を見付けてやることですから、何をやっても興味深く取り組むことが出来たのです。
たいして趣味もなかったと思っていた僕には、時間が足りないほど多くの趣味があったようで、もし高校の時にそれに気付いていたら、勉強だってきっと楽しいものだったに違いありません。

訓練は三ヵ月に一度変更があり、大勢の人間がいることですから思い通り、という訳にはいきませんが、こちらの意見も随分入れてくれます。
リハビリとOT・簿記は減らし代わりに七宝・裁縫・書道の時間をつくってもらいました。 
これらは結構おもしろくやらせてもらいましたが、どうも仕事のための訓練からは外れかけたのかもと思いました。

実は緑風荘は職業訓練所ではまるでなく、介護が必要な人が、できるだけ自分で生活できるように、との日常生活訓練所だったのです。ですから一応ですが、頭の中も体もなんとか正常に働かせることのできる僕の期待には、そってくれなかったわけです。

最初はそんなこととは理解できていませんでしたから、日常生活でも合点のいかないことが多く、良いと思ってすることが、ことごとく反対に怒られるはめにあい、欝憤は蓄まるばかりだったのです。

傾いている下駄箱を真っすぐにしようとして「危ないからやりたいのなら男子介護にたのめ」だとか庭掃除をすると「後から私たちがするからさわらないで」とか、自分以外のことに手を出すとたいてい注意を受けます。
潔癖症だとは思っていませんでしたが、かなりの潔癖症だったみたいで、真っすぐに並んでいないレンガや水平に飾ってない額だの、抜き放しの草などが気になってしかたありません。注意されても内緒でやるものですから、そのうちには「もうなにも言わないけど気をつけてやってね」という人もいたりして。
三ヵ月もすると緑風荘への考えもあきらめに変わり、もう自分で職安に行って仕事を捜さなければ駄目かもと考えました。
by takaryuu_spring | 2007-02-22 22:49


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