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おせち

おせち料理というと贅沢そうですが、今の時代から見ると随分質素なものだと思います。それさえ口に入らなかったのでしょうが、一番高い数の子など昔はたくさん獲れた魚の卵ですし、田作りも今は高い鰯の子ですが、田圃の肥料にするほど獲れた魚、豆・蓮根・昆布などどれも高級品ではなかったと思います。
それが今はみんな高級品にふさわしい値段の素材になってしまいました。数の子を筆頭に田作りでも昆布でも普通の食材に比べたらとても高いものです。
酢蓮根が好きでした。でも今の蓮根は見通しがいいだけで、糸を引きません。お千代坊近くは蓮根の産地、「糸引く蓮根ないの?」と聞いたら売り物ではないね、今は品種改良されて浅いところに根を張る品種で、糸を引く蓮根ははもっと深くになるから機械では収穫できないから作っていないのだそうです。お煮しめに使う野菜もみんなあくがありません。牛蒡などただの繊維香りも何もなく水でさらしても少しも水が茶色にならないのではありませんか?だから僕は牛蒡も人参も皮付きのままにたほうが好きです。皮には昔の味が残っています。
とても高い田つくりですが、マイワシではなく、片口鰯の稚魚ですよね。小さい魚でサンマと片口鰯はたくさんいるのだそうです。でもマイワシが高いから便乗してたかねでいられるのかも知れません。
干した田作は何匹かくっ付いている事があります。それをよくほぐして、土鍋などでゆっくり炒ります。薄い鉄鍋で強火でやっては駄目です。鉄でも何でも良いのですが厚い鍋だと遠赤外線が出て中から火が通ります。こげる事も少なく、時間はかかりますがここだけがポイントです。炒れたら新聞紙の上に広げ余熱を取ります。少しさめるとポキンとおれると思います。
鍋に砂糖と醤油それに酒を、好みですが、等量入れて煮立て、新聞に広げた田作りを煮立った中に入れて味をからめれば出来上がりです。酒を少なくすれば飴状に、増やせばほぐれるようにできます。ピリ辛がお好みの方はタカの爪を煮るとき入れておきます。
by takaryuu_spring | 2006-12-07 19:38


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