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クミ子おばばと不思議な森

3月11日の大地震の少し前に名古屋から東郷町に引越し、それ以来この頁を考えることもなく、随分長い間サボってしまいました。

今回は、宮崎県椎葉村で焼き畑農業を続けている椎葉クミ子おばばのお話を少し。

先週の日曜日(10月16日)のこと、再放送されたNHKスペシャル『クミ子おばばと不思議な森』(http://www.nhk.or.jp/special/onair/110925.html)という番組を見て、僕の思考体系は日本人の遺伝子の中に組み込まれているものなのだなあと実感しました。

僕は、昭和30年代に学校で「宮崎県の山間部では今なお焼き畑農業をやっている人たちがいる。」と習いました。山を焼き畑を作って、土地が痩せると移住して又山を焼く農法で、世界中どこでも同じだと思っていたのですが、縄文以来続いてきた日本の焼き畑は少し違っていて、日本の焼き畑は移住はしないで30年を周期とする循環型焼き畑農業でした。

息子さんが焼き畑をする動画がありましたので。



そんな焼き畑を今なお続けているクミ子おばばは、生きることを「世渡り」という表現で言い表します。

普通「世渡り」とは人間の間で立ち回ることを「世渡り」と言うのですが、87歳になるおばばの「世渡り」のいう世渡りとは大自然の中に溶け込んで生きていくことを言うのです。

30年かけて山を一周しもとの場所に戻ってくる。先祖代々山を出ないでそれを縄文時代から続けてきたというのです。

30年を周期にする理由は、木が最も元気な状態にあるが芽生えてから30年目で、その木を切って燃やせばたくさんの豊富に肥料分を含んだ灰になり、良い畑になると同時に木の根も元気ですから健やかなひこばえを芽吹かせる、木が元気だと根はまた若返る。その循環をさせるのに最もよい時間が30年のようなのです。

焼いた跡にすぐ蕎麦の種を播き、4年間畑として使った後それ以降は自然に任せるとまた元気な森にかえって行く。その山に住んできた獣や鳥や蛇や蛙やミミズや虫や山菜や茸・・・たちと一緒に生き続ける。一切衆生悉有仏性というのでしょうか、山全体がひとつの生命体、循環型焼き畑には人の一生もその循環の中に組み込まれているのです。

日本人がどんな宗教を信じても、そのはるか昔から日本人の命の中には、言い換えれば「どんな「物」・「事」にも神様が宿っている。」という観念が遺伝子として組み込まれているような気がするのです。
 
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by takaryuu_spring | 2011-10-30 14:38