障害についてよく考え、「目に見える部分だけが使えないのではない」ということをよくよく理解して接しなければなりません。目に見えないところにどれだけ注意できるかが介護の要点です。
例えば食事の時の介護でも、ご飯を口に運んで入れてやるだけでは全然不十分で、食物が口の動かない片側にたまってしまいます、そんなものを掻き出すのは無意識にやっていた舌と唇・口などの共同作業なのですが、マヒするとなかなか難しいことになります。時々スプーンなどで真ん中にもってこなくてはなりません。それが自分で出来てもやはり食べるのに時間がかかることになります。 また飲み込む力半分が駄目で、飲み込みにくいのですからあまりぱさぱさしたものは食べにくく、お茶など用意しなければいけません。 でも食べやすそうに思えるうどんも、反対に食べにくいものなのです。 それはちゅるちゅると連続してすすりながら食べるということが出来ないからです。 噛む・飲む・ということを同時にすることが出来ません。それで缶ビールも実に飲みにくいものです。あれは飲むとき同時に口から空気を入れているのですよね、それが上手に出来ないものだからほんの盃一杯位ずつしか口に入ってきません、なんとも情けないことに、のどにごくごくと言う具合にはいかないのです。 何をするにも時間がかかるということ、とくに排便には時間がかかりますがなにごともおおめにみて、それで手伝いすぎないことが大事だと思います。 健康な人が手伝ってやれば親切そうで、しかもその方がどちらにも簡単ですが、それは回復を遅らせ、やる気をなくさせるだけです。 いらいらせずに待ってやる心のゆとりがあれば、彼もやることに喜びを見付けると思います。 何をやっても自分ですることは、なにかのリハビリに違いなく、なにかをする気になれることがリハビリの目的なのです、これから何年付き合っていかなければならないか知れない体です、不自由でも自分でできることは自分ですることに喜びを感じてもらわなくてはなりません。
by takaryuu_spring
| 2007-03-10 19:09
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