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犬その14

http://blog.goo.ne.jp/takaryuu_april/ にもお寄りください、短い日記になっています。


これで僕が扶養されている間での犬の話は終わりです。
二十歳から先長く犬と縁のない生活が続きました。
それが、結婚して僕たちに子供が出来たとき、それまで飼っていた猫を人に譲り、代わりにやっぱり犬が良いということで、犬を飼うということにしました。
猫を人に譲ることに関してはほとんど良心の仮借は感じませんでした、それは猫が僕のことを好きだと思っていなかったことと、そのねこがペルシャ猫で喜んで貰ってくれる人がいたこと、また寿司屋で、そのために彼は家にいた時よりうんと良い待遇が約束されていたからでもあります。その通りのびのびと良い生活を送っていたといいます。
以前の大家さんの犬の子で、昔のマージとそっくりな犬で、こんどは少し大きくなって、普通の餌も食べられるようになってからもらいました。
普通犬を貰ってくると、その日は母恋しくて泣くものですが、少しもなきませんでした。
猫はゴローという名前でしたから、犬はタローにしようと思ったのですがほとんど真っ黒な犬はタローよりゴローの方が似合うような気がしてゴローという名前にしました、日進町でのことです。
日進町の僕たちが住んだ竹の山というところは、昭和六十四年当時まだ狸や雉・いたちなどの棲む里山の残るところで、家の裏は竹林、その奥には柿畑小さな山を一つ越えると、田圃に松林・それに雑木林・すすき野その横を東名高速が走っていました。
家の少し南に行ったところに、田圃を埋め立てた何も生えていない原っぱがあり、そこがゴローの運動場です。
小犬はなんて可愛いのでしょう、遊ぶためなら疲れを知りません、そっと隠れて迷子にさせようと遠ざかり、遠くから様子をながめていると、自分がひとりぼっちになってしまっていることに気付き、あたりをきよろきょろしますが見つからないときには、急に心細くなるのでしょう、いままでぴんと立てていた尻尾をたらして、大急ぎで家の方に飛んで行きます。
ゴローと呼びますとその声を聞いてこんどは、とたんに元気になり尻尾を立てなおしそれはうれしそうに走って来ます。
一番好きな遊びは投げた棒を拾ってくる遊びで、棒を投げてやると転がるようにそれを取りに走ります、原っぱが少しでこぼこしていましたから、あまりいそいで走ってつまずいてずっこけることもありました、ぎゃふんというようなその顔には吹き出してしまいます。
三月四月は草もまだ背が低く、投げられた棒がいつでも見えたのですが、だんだん草の背丈伸びてくると、投げた物がどこにいったのか分からなくなってきます。
犬の成長は早いもので草が伸びるのと同じように成長していきます。
もう何も見えない所に投げられた棒も、ゴローは見えているかのように簡単に見付けて持ってきます。
その草も夏になるともう人の背丈ほどにもなりますが、そこに投げ込んでもちゃんと持ってくるのでした。
散歩も野原から裏のすすき野・松林・雑木林の中の小径とだんだん長くなっていきました。
by takaryuu_spring | 2006-09-14 20:55


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